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2012/03/07(Wed)

ヒトラー 最期の12日間

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『ヒトラー ~最期の12日間~』(2004年) 原題:Der Untergang

Oliver Hirschbiegel (オリヴァー・ヒルシュビーゲル)監督
Bernd Eichinger (ベルント・アイヒンガー)脚本、製作
Bruno Ganz(ブルーノ・ガンツ)アドルフ・ヒトラー役
Alexandra Maria Lara(アレクサンドラ・マリア・ララ)トラウドゥル・ユンゲ役
Corinna Harfouch(コリンナ・ハルフォウフ)マグダ・ゲッベルス役
Urlich Matthes(ウルリッヒ・マテス)ヨーゼフ・ゲッベルス役
Juliane Koehler(ユリアーネ・ケーラー)エファ・ブラウン役
Heino Ferch(ハイノ・フェルヒ)アルベルト・シュペアー役
Christian Berkel(クリスティアン・ベルケル)シェンク教授役
Thomas Kretschmann(トーマス・クレッチマン)フェーゲライン中将役
Ulrich Noethen(ウルリッヒ・ネーテン)ハインリヒ・ヒムラー役
Rolf Kanies(ロルフ・カニース)ハンス・クレープス役
Justus von Dohnányi(ユストゥス・フォン・ドホナーニ)ブルクドルフ役

原作:ヨアヒム・フェスト著「ヒトラー ~最期の12日間~」
   トラウドゥル・ユンゲ著「私はヒトラーの秘書だった」

 ヒトラーの秘書を務めたトラウドゥル・ユンゲのモノローグのあと、物語は1942年にさかのぼります。そのユンゲを含む数名の女性が、秘書の採用試験を受ける場面です。皆、心から敬愛するヒトラー総統を前に緊張で硬くなるのでした。秘書に採用されたトラウドゥルは緊張のあまり、口述筆記で失敗してしまいます。しかしヒトラーは怒ることもなく優しく緊張をほぐすのでした。

 そしてドイツ敗戦が濃厚となった1945年春。前線ではドイツ軍が苦戦を強いられる中、ヒトラーだけは強気の姿勢を崩さず、たとえ祖国が焦土になろうと戦い続ける意思を表明していました。食料も弾薬も尽き、疲弊する国民。赤軍はベルリン近郊まで迫り、空襲も激しくなる一方。いよいよベルリンも危ないということになり、ヒトラーは地下壕に避難します。Fuehrerbunker (フューラーブンカー)と呼ばれる地下の要塞でした。ヒトラーと愛人のエファ・ブラウン、宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルスと妻のマクダ、そして子供たち。さらに秘書のトラウドゥルや料理人、側近たちもヒトラーと共に地下へ避難するのでした。

 しかし、戦況は悪化の一途をたどります。地下壕に避難した者たちも誰もが死を覚悟するようになり、極限状態となっていきます。もはやこれまでと悟ったヒトラーは自殺を決意し、前日に愛人エファと結婚します。お伴をする覚悟のゲッベルス夫人は自ら子供たちに毒を飲ませ、1人1人殺害していきます。そしてヒトラーと妻エファ、ゲッベルス夫妻は自ら命を絶ちました。死体はガソリンで徹底的に焼くよう部下に指示し、部下もそれに従います。一方、トラウドゥルたちは決死の覚悟で要塞を出て逃亡します…


***************************************

 先日急逝した大物プロデューサー、ベルント・アイヒンガーが製作を手掛け、「es」のオリヴァー・ヒルシュビーゲルが監督した超大作。秘書の目を通し、極限状態の中に置かれたヒトラーとその側近たちの様子、そしてヒトラー政権の終焉を描いています。ヒトラーを演じるのはドイツ語圏を代表する名優、ブルーノ・ガンツ。これまで幾度となくヒトラーやナチは映画で描かれてきましたが、ドイツ人が等身大のヒトラーを描くということで、映画公開前から大きな話題となりました。特に、ヒトラーの人間的な面を描くことに周囲の反発が強かったといいます。きっかけは、トラウドゥル・ユンゲの告白「私はヒトラーの秘書だった」でした。素顔のヒトラーを知る数少ない人物の1人、ユンゲの告白とあり、こちらも大きな話題となりました。彼女が知るヒトラーは、普通の支配者であり、ホロコーストをやるような人物だとは当時は思わなかったそうです。そしてナチ政権の終焉を詳しく記したヨアヒム・フェストの「Der Untergang(映画の原題と同じ)」をもとに、この作品が製作されました。

 ドイツの歴史における最大のタブー、アドルフ・ヒトラー。等身大のヒトラーを演じてよいのかどうか、ブルーノ・ガンツも最初は迷ったといいます。しかし試しにカツラをつけ、チョビヒゲをつけてみたところ、鏡の中にはヒトラーがいました。「これは私が演じなければ」と思ったと本人もインタビューで答えています。顔や姿は本人とは違うのですが、その演技力でヒトラーになりきっていました。大物プロデューサーが手掛けるだけあって、出演者が豪華。ドイツの有名な俳優・女優が勢ぞろい。よくぞここまでそろえたと思える豪華な顔ぶれです。マクダ・ゲッベルスを演じた東ドイツ出身の女優コリンナ・ハルフォウフの演技力は“凄まじい”の一言。追い詰められ、我が子を次々と手にかけていくシーンは鬼気迫るものがあります。本人いわく、ゲッベルス夫人になりきって演じた結果、子供を手にかけるシーンの撮影後はしばらく情緒不安定になってしまったとのこと。

 ヒトラーが最期の12日間を過ごした地下壕は、赤軍が爆破を試みますが失敗に終わり、そのまま地下に埋められた状態になりました。当時の資料や証言をもとに、映画のスタッフが当時の地下壕を再現。非常に凝ったセットです。破壊されつくしたベルリンの街並みは、サンクトペテルブルクで再現。この町はもともとドイツ風に作られたため、戦前のベルリンと似ているんだそうです。美術担当が具体的に例をあげていましたが、Hinterhof(中庭)のある建物が軒を連ねており、それが当時の雰囲気とよく似ているんだとか。

 原作者のヨアヒム・フェストがインタビューで答えているのを聞いたことがありますが、彼はドイツの一般市民が非常に疲弊した状態であったことを伝えたかったと。本作の映像をよく見ると、処刑されて街頭につるされたベルリン市民(戦争に非協力的、という理由でリンチにあったり、兵士に殺されたり)が再現されて映っています。ドイツ人が自分たちの被害を語ることは長らくタブー視されてきたといいますが、こうした史実も少しずつ描かれるようになってきたと思います。

     


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