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2011/08/04(Thu)

ドレスデン、運命の日

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『ドレスデン、運命の日』(原題:Dresden、2006年)
Roland Suso Richter(ローラント・ズゾ・リヒター)監督
Felicitas Woll(フェリシタス・ヴォル)アンナ
Benjamin Sadler(ベンヤミン・ザートラー)アレクサンダー
John Light(ジョン・ライト)ロバート

 時は1945年早春、敗戦の色が濃くなったドイツ。美しい古都ドレスデンで暮らすアンナは、父が院長を務める病院に看護師として勤務し、負傷兵の手当に明け暮れていました。妹はナチ信奉者、精神が不安定な母は薬に頼っておりました。そんなアンナに医師アレクサンダーが求婚します。有能な医師との結婚は父が望む縁組みでもありました。

 ある日、イギリス軍の爆撃機が撃墜されます。瀕死の重傷を負ったイギリス兵ロバートは命からがら逃げ出し、アンナの病院に隠れます。地下に潜んでいたロバートを見つけたアンナは傷の手当を行い、彼をかくまうのでした。強引なロバートに惹かれるアンナでしたが、彼女にはアレクサンダーという婚約者がいました。

 一方、敗戦の色が濃厚と踏んだ父はモルヒネを不正に蓄え、横流しを企てていました。一家でスイスへ逃亡しようとしていたのです。そんな父や、結婚相手アレクサンダーの別の顔に失望したアンナは、ロバートと逃亡しようと心に決めます。ところがその晩、連合軍の爆撃機がドレスデンへ向かっていました。3回に分けて行われた空爆により、ザクセンの美しき都は壊滅的な被害を受けることとなったのです…

************************************

「トンネル」で有名なローラント・ズゾ・リヒター監督が手がけた作品です。ドイツでは2006年の3月に2夜連続で放映されました。日本で公開されたのは、2話合計180分を145分に編集し直したバージョンです。第二次大戦を引き起こし、ホロコーストなど非人間的な行為を行ったという過去を持つドイツは、長らく自国の被害を語ることをタブー視してきました。ドレスデンの空襲についても、ドイツで語られるようになったのは2002年ごろからだとのこと(柳原伸洋氏の講演「ドイツ・ドレスデン空襲と東京大空襲」より)。2004年公開の「ヒトラー 最期の12日間(原題:Der Untergang)」でも、等身大のヒトラーやベルリンの被害を描くことに賛否両論だったと聞きます。この「ドレスデン 運命の一日」も、この時点で描けるギリギリだったのかと思います(←あくまでもワタシの個人的意見です)。

 先日、あるドキュメンタリー番組を見る貴重な機会がありました。ドイツで同時期に同じ局(ZDF、ドイツ第2テレビ)で制作されたテレビ向けドキュメンタリー「Das Drama von Dresden (直訳:ドレスデンのドラマ)」です。ドレスデンの空襲を体験した人たちの生々しい証言で構成された貴重な記録でした。その証言は、この「ドレスデン 運命の日」で描かれたシーンと一致します。燃えさかる炎の中で右往左往する人々、発生した「火炎旋風」に吸い込まれる犠牲者、地下の避難場所で避難を拒否されるユダヤ人、絶望の中で祈り続ける敬虔な信者たち。おそらくリヒター監督は制作にあたり、多くの体験者の証言を聞いたのでしょう。主観をまじえず、できるだけ忠実に当時を映像化する目的で、数多くの証言をそのまま盛り込んだのではないでしょうか(これも私が抱いた個人的な印象です)。また、本作の批評には「メロドラマすぎる」という意見も見られます。確かに、戦乱の中でのドイツ人の看護師とイギリス兵のラブロマンスというのは、少々「できすぎ」感があります。しかし、できるだけ多くの史実を盛り込み、周辺国に配慮し、長い時をかけて進めてきた「和解」の雰囲気に水を差すことなくテレビという影響力の大きなメディアで放映する必要があった。そんな背景を考えると、制作側の苦労が理解できるような気がします。ちょうど前年に、「和解」の象徴である聖母教会の再建が完成したばかりでしたし。そう考えると、決して陳腐なメロドラマとは思えなくなります。

      (ドイツで放映されたドキュメンタリーです↓)
      510WRTY6P5L.jpg

(都市空襲研究会の講演会「ドイツ・ドレスデン空襲と東京大空襲」にて講師の柳原伸洋さんから貴重なお話を伺いました。改めて御礼申し上げます。)

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