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2011/07/28(Thu)

アイガー北壁

アイガー北壁

『アイガー北壁』(原題:Nordwand, 2008年)
Philipp Stölzl (フィリップ・シュテルツル) 監督
Benno Fürmann (ベンノ・フュアマン) トニー・クルツ役
Florian Lukas (フローリアン・ルーカス) アンディ・ヒンターシュトイサー役
Johanna Wokalek (ヨハンナ・ヴォカレク) ルイーゼ役
Ulrich Tukur (ウルリッヒ・トゥクル) アーラウ役
公式HP(日本語)

 トニー・クルツとアンディ・ヒンターシュトイサーは優秀な登山家として知られた存在でした。時は1936年。ナチ政権はドイツ民族の優秀性を世界に示すべく、アイガー北壁の初登頂をドイツ人クライマーに達成させようとしていました。初登頂者には同年に開催予定のベルリンオリンピックで金メダルを授与すると発表。しかしそのアイガー北壁 (Nordwand) は“殺人の(Mordwand) 壁”と怖れられたルートで、その前年には有名な登山家が2名死亡した“最後の難所”でした。

 駆け出しの新聞記者ルイーゼは、この2人と同郷だということで抜擢され、彼らを取材することになりました。アイガーへの挑戦を勧めるルイーゼ。トニーは躊躇するものの、人跡未踏の地に足を踏み入れたいと思うのは登山家として自然な気持ちでした。結局、2人は北壁の登頂を目指します。

 現地へ向かうと、ふもとでテントを張るオーストリア人の登山家に出会います。彼らもまた、初登頂を狙っていたのでした。彼らに負けじと、トニーとアンディは夜中に出発します。登攀開始直後は順調に進みました。アンディはザイルを使って壁を横断。そのルートは後に“ヒンターシュトイサー・トラバースと命名されます。ところが後を追いかけるオーストリア人の1人が落石から頭部を負傷、登攀が困難となります。やがて天候も悪化。彼らは合流し、登頂をあきらめて下山することにします。しかし天候は回復せず、状況は困難になる一方。そして悲劇が起こるのでした…

***********************************

アイガー北壁の初登頂にまつわる悲劇をシュテルツル監督が映画化したものです。戦前、ドイツには「山岳映画(Bergfilm)」という固有のジャンルがあり、人気を博していました。飛行機を使ってアルプスを撮影したり、雄大で時に厳しい自然をカメラに収めるなど、様々な手法を確立したアーノルト・ファンク監督やルイス・トレンカー監督は「山岳映画の巨匠」と呼ばれ、一時代を築きました。しかしそういった山岳映画がナチの国威発揚に利用された経緯から、戦後はタブー視されるようになったと言います。その山岳映画をもう一度、新たな視点から撮り直そうというのが、シュテルツル監督の試みでした。

 しかし本作の撮影には莫大な費用と手間がかかったそうで、監督も来日時の舞台挨拶で「当分、山はカンベン」と言っていました。ヘリを飛ばすにも巨額のコストがかかるそうです。せっかくヘリを手配したのに、その日の気温が上がって雪崩の危険があるため、撮影中止になったこともあったそうです。ヘリ代がパア。さんさんと太陽が降り注ぐ中、うなだれてベンチに腰掛けていた~云々といったこともインタビューで答えていました。そこまでの思いをしながら撮影しただけあって、映像はとてもリアル。当時の貧弱な装備にも驚かされます。新素材を駆使した装備が当たり前の今と違い、すべてが綿や麻、ウールといった天然素材。登攀に欠かせないハーケンやアイゼンなどの登山用具も手作りでした。見ているだけで寒くなるリアリティです。
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  • 冬山の恐ろしさと政治とスポーツの関係

    映画祭でみて以来、じ~くりとは未だ見てないのですが。(ーー;)
    ラストがラストなだけに、ベノファンといたしましては・・・。

    冬山の恐ろしさと政治とスポーツが切り離せない関係がよく出ていると思います。
    撮影も大変でしたが、役者の熱演も光ってましたよね。

    映画祭でのルーカス君がすっごく素敵でした。
    握手してもらっちゃったしなあ。よい想い出です。

  • No title

    パッケージを見るだけで体感温度が下がります~v-276
    雪山との壮絶な闘いはもちろんなんですが、「雪山ケーキ」と、映画の後半に向かってどんどん美しくなっていく女優さんが印象的でした。(あと「ハレルヤ!」の字幕~♪♪♪)
    その節は、興味深い映画を教えていただいて本当にありがとうございました。劇場で観られて良かったです!!

  • スポーツと政治は切り離せませんね

    ★takboutさん おはようございます~ そうですよねー冬山の恐ろしさもさることながら、スポーツを政治利用した史実にも背筋が寒くなりましたよねー。でも、それは今も同じかもしれません。なでしこの活躍に政治家たちも便乗しようとしているし。ヘタな小細工よりも国民を感動させられるスポーツの力ってすごいですし、それを利用しようとする輩がすぐ出てくるんですよね…。ルーカス君、素敵でしたよね。ワタシもあれで一気にファンになりましたi-189

  • 暖かい部屋と雪山の対比が残酷でしたよねー

    ★すーさん おはようございます~。コメントありがとうございます。あの雪山ケーキ、やたら巨大でしたが、お味はどうなんでしょう?まさか大味?でも高級ホテルですから、きっと美味しいんでしょうね。暖かい部屋でおめかしした紳士淑女たちと、冬山に薄着(←貧弱すぎて気の毒でしたねー)で震える登山家たちの対比が気の毒でした…。
    ところでルイーゼですが、最初新聞社で大写しになったときは、「?」となりました…。演出だったんでしょうけど、最初はダサかったですよね…。
    すーさん、いつもいつも、ホントにありがとうございますe-266

  • この映画、ちょうどテレビで

    ありちゅんさん、この映画、ちょうど先日ホテルに泊まった時にテレビ放映していて、深夜最後まで見切ってしまいました!!
    すごいリアリティで、暑い日だったのに心底冷えきった気持ちになりました。フローリアン・ルーカスは「グッバイ・レーニン」で見て以来けっこう好きな俳優さんです!「One Day In Europe」の役も好きでした。最近はあんまり良いのにでてないかなあ……。。。

  • おお!

    ★kioさん、コメントありがとうございます!フローリアン・ルーカスいいですよねー♪ 映画祭で来日した際、厚かましくも話しかけてしまいました。すっごく、すっごく感じがよかったですよー。しかも、俳優さんたちってナルシーな人が多いのに、彼はとっても自然体でした。お召し物も「ユ●クロ風」!フツーの紺のシャツにフツーのジーンズ。あれで一気にファンになりました。グッバイ、レーニンの友人役もよかったですよね。ちょっとオバカだけどいいヤツという役が合うような気がします!

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