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2012/04/30(Mon)

ミケランジェロの暗号

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『ミケランジェロの暗号』(原題:Mein bester Feind)
Wolfgang Murnberger (ヴォルフガング・ムルンベルガー)監督
Moritz Bleibtreu (モーリッツ・ブライプトロイ)ヴィクトル
Georg Friedrich (ゲオルク・フリードリヒ) ルディ

<チョ~簡単なあらすじ>
 時は1938年、舞台はドイツに併合(Anschluss)される直前のオーストリア。ヴィクトル・カウフマン(モーリッツ・ブライプトロイ)の父は大きな画廊を経営する裕福な画商でした。しかしナチがオーストリアに併合を迫り、時のシューシュニック内閣は総辞職、時代が一気に変わります。そんな中、裕福なユダヤ人たちは資産没収と収容所送りという過酷な運命に直面するのでした。そしてカウフマン一家も同じ運命が待ち受けていたのです。

 一方、巨匠ミケランジェロの素描画がカウフマン家の画廊にあるという噂が流れておりました。そしてそれは事実でした。父は没収を恐れ、その絵を巧妙に隠します。ナチ政権がその絵に目をつけていたからです。ムッソリーニがその絵を欲していたのでした。イタリアとの関係改善を狙い、交渉の切り札にせんと狙っていたナチ政権はその絵を何とか手に入れようと画策します。

 一方、カウフマン家に長年仕えた使用人の息子ルディ(ゲオルク・フリードリヒ)もその絵に目をつけた1人でした。カウフマン家の夫妻からは我が子同然にかわいがられ、ヴィクトルと兄弟のように育ったルディでしたが、貧しい少年時代を送ったルディは裕福なユダヤ人の主人に対してゆがんだ感情を持っていたのです。彼は自分が生き残るためにSS(親衛隊)の一員になる道を選び、出世のために絵を差し出そうともくろんだのでした。

 そんなルディの魂胆を知ったヴィクトルは、驚くべき作戦に出ます。ルディと入れ替わり、SS将校になりすましたのでした…。キーワードは、収容所で死んだ父が残した言葉「Verlier mich nicht aus den Augen(私から目を離すな)」。


<チョ~簡単な感想>
 ナチによる併合、そして開戦前夜とあり、ヴィクトルの父も心が揺れ動きます。ヒトラーは愚かだが、連合国相手に戦争を始めるほどバカじゃない」とも言い、まだ多少楽観視しているところもありました。しかし運命は残酷。父は収容所で死亡します。巨匠の素描画を求めて右往左往するナチの将校たちの慌てぶりが滑稽に描かれていました。そして運命に翻弄されながらもユーモアを忘れない主人公のお茶目っぷりも。(実際、モーリッツ君は目がお茶目^^;)確かにシリアスなテーマなのですが、なぜか悲壮感がない。それでも、血も涙もないのナチ政権に対する批判と原作者の怒りが伝わってきます。こういう描き方もアリだな、と思ってしまった次第です。恩人であるユダヤ人夫妻の財産を狙い、画策するルディですが、彼が憎むべき人間かと思うと、そうでもない。アホなのです、この男が。なぜか憎めない…。ルディを演じたのは「アイガー北壁」でオーストリア人クライマーを演じたゲオルク・フリードリヒという俳優さん。この人がですね~ モロ、オーストリア訛りなんですね。この人ほどコテコテのオーストリア訛りを話す俳優さんはいないんじゃないかしら。このユルいドイツ語が、憎めないキャラ作りに一役も二役も買ってます、ハイ。もしご覧になることがありましたら、ルディの方言に注目です★ 主演はモーリッツ・ブライプトロイ。この人は少々“見飽きちゃった感”が否めないのですが(そのくらい多くの映画で活躍しまくり)、スクリーンで見るとやはり存在感が違います。途中までは「モーリッツ君じゃなくてもよかったのでは?」なんて思ったりもしたのですが、後半~エンディングを見て、「やっぱモーリッツ君じゃないとダメだ!」と思えました。「過酷な運命に翻弄される悲劇のユダヤ人」的な人物像は、モーリッツ君に似合わないのでは…」と最初は思ったのです。が、違いましたぜ。転んでもタダでは起きないキャラなんです。最後のシーンがとにかく気に入りました♪ オススメでございます~♪ ネタばれになるから詳しくは書けませんが、ドヤ顔なんですな、これが。

 ところでオーストリア人やドイツ人なら、「シューシュニックが退陣」と聞けば、「オーストリア併合」とピンと来るんだと思います。そしてその後、一気に悪化していく国内情勢についても。「大政奉還」と聞けば、江戸時代が終わって明治が始まる!とピンとくる我々と同じように。そのあたりの「つーかー度」が日本人とオーストリア人&ドイツ人とは違うので分かりにくいところもあるかもーとも思ったのですが、そこは映画。映像の力で時代の流れが伝わってきますです。

 本作のスタッフは、かつてアカデミー賞外国語映画賞に輝いたオーストリア映画「ヒトラーの偽札」を手掛けたメンバーなんだそうです。本編の最後に、ザクセンハウゼン強制収容所の話がチラっと出てきます。ここは「ヒトラーの偽札」の舞台となった収容所。これはおそらく、スタッフが「分かる人には分かるだろう」との思いから盛り込んだのでは、と思いました。うふふ。





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