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2011/09/03(Sat)

クララ・シューマン 愛の協奏曲

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『クララ・シューマン 愛の協奏曲』(原題:Geliebte Clara)2008年
Helma Sanders-Brahms (ヘルマ・サンダース=ブラームス) 監督
Martina Gedeck (マルティナ・ゲデック) クララ・シューマン
Pascal Greggory (パスカル・グレゴリー) ロベルト・シューマン
Malik Zidi (マリック・ジディ) ヨハネス・ブラームス

 ピアニストのクララ・シューマンと作曲家のロベルト・シューマンはコンサート・ツアーのためにヨーロッパ各地を飛び回る日々を送っていました。ハンブルクでのコンサートで、夫妻は不遜な青年と知り合います。無名のピアニスト、ヨハネス・ブラームスでした。その奔放な態度に興味を持ったクララは夫を連れて場末の酒場を訪れます。そこで彼が奏でるピアノに、彼女はたちまち引き込まれるのでした。

 その後、夫妻はデュッセルドルフに落ち着きます。ロベルトがデュッセルドルフのオーケストラの音楽監督に招かれたからでした。ライン地方の明るい日差しを浴び、ツアーで心身ともに疲れ果てていたロベルトも元気を回復。交響曲「ライン」を書き上げます。そんな夫妻の前に再びブラームスが現れました。彼が贈ったソナタを弾いたクララは、その才能に衝撃を受けます。それはロベルトも同じでした。そのままブラームスは夫妻の家に住むこととなります。

 音楽監督の仕事と作曲に精を出すロベルト。ところが彼は楽団員とそりが合わず、うまく指揮ができません。クララは幼い子供たちの世話に追われつつ、夫を支えるのでした。しかしロベルトは次第に精神のバランスを崩し、薬物に溺れるようになります。一方、才能が認められたブラームスは脚光を浴びるようになりました。

 ロベルトの症状は改善せず、とうとうライン川に身を投げてしまいます。漁師に引き上げられ、一命を取り留めたロベルトでしたが、もはや限界でした。とうとう精神病院に入院することとなりました。献身的に尽くしてきたクララをブラームスが支えますが…。

***********************

結婚を認めない父に対して裁判まで起こし、ようやく一緒になれたクララとロベルトでしたが(詳しいいきさつは、『哀愁のトロイメライ ~クララ・シューマン物語~』を是非ご覧ください★)、その生活は順風満帆とはいかなかったようです。「Wunderkind(奇跡の子供)」とまで呼ばれた名演奏家のクララでしたが、結婚後は子供や夫の世話に追われ、ピアノの練習もままならなかった模様。夫はオーケストラの楽団員と合わず、引きこもりがち。さぞかし大変な思いをしたと思われます。

 それにしても、ロベルト・シューマンとヨハネス・ブラームスという2人の大音楽家から愛されるクララって、やはり魅力的だったのでしょう。ロベルトも妻とヨハネスの関係を疑いつつ、一方でヨハネスの才能を絶賛していた模様。また、ヨハネスもロベルトを心から尊敬していたようです。この3人の奇妙な関係は、凡人にはとうてい理解できないけれど、こんな三角関係も各自が天才だからこそ成り立ったのかもしれません。本作は史実どおりというわけではなく、フィクションもかなり織り交ぜてあるそうです。ロベルト・シューマンをこよなく愛する人にとっては不満かもしれません。本作でのロベルトは、かなりトホホな状態ですから。本作の監督は女性だということもあり、2人の男性に挟まれて悩むクララ、母・妻・ピアニストという役割の中で悩むクララを描きたかったようです。

 ところえクララを演じたマルティナ・ゲデックは、役作りのためにヒマを見つけてはピアノを弾いていたそうです。余談ですが、ラインから引き上げられたロベルトの体がマッチョでびっくり。この俳優さん(フランスでは有名な方だそうです)、相当鍛えてます。カッチカチやぞ~(古っ)。

<おまけ>
若きブラームスがクララに捧げたピアノソナタ第2番。とても情熱的で、愛を感じます…。


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2011/08/27(Sat)

哀愁のトロイメライ ~クララ・シューマン物語~

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『哀愁のトロイメライ ~クララ・シューマン物語~ (原題:Frühlingssinfonie)、1983年
Peter Schamoni (ペーター・シャモニ) 監督
Nastassja Kinski (ナスターシャ・キンスキー) クララ・ヴィーク
Rolf Hoppe (ロルフ・ホッペ) 父ヴィーク
Herbert Grönemeyer (ヘルベルト・グレーネマイヤー) ロベルト・シューマン

 娘クララ・ヴィークの才能を見抜いたピアノ教師の父は、幼い頃から英才教育を施します。クララも父の期待に応え、数々の演奏旅行で成功を収めてきました。そんなピアノ教師ヴィークの下には、多くの生徒が集まります。若きロベルト・シューマンもその一人でした。彼は20歳、そしてクララは11歳の少女でした。ヴィーク氏の生徒となったロベルトは熱心に練習に打ち込みますが、練習しすぎがたたって指を故障してしまいます。ピアニストとしての道を絶たれたロベルトは、作曲家の道へ進もうと決めます。そしていつしか2人は愛し合うようになります。

 しかしロベルトは、まだ作曲家として世に認められてはいません。そんなロベルトと愛娘が親しくするのが許せない父親は、2人を引き離そうと画策。クララをドレスデンへ行かせます。後を追うロベルト。しかし、2人が一緒になることを父ヴィークは許そうとしません。とうとう2人は結婚の許可を得るために、裁判を起こすのでした…。

**************************

 本作は冷戦のさなかに製作された、初めての東西ドイツによる合作です。史実に合わせ、ロケは当時の東ドイツにあったライプチヒとドレスデンで行われました。また、父ヴィークを演じたのは東ドイツの俳優です。ロベルト・シューマン役は「U・ボート」で成功を収めた俳優ヘルベルト・グレーネマイヤー。しかし彼はこの作品以降は大きな作品には出演せず、音楽の道に進んで現在に至ります。成人してからのクララを演じたのはナスターシャ・キンスキー。撮影当時は21歳で、めちゃくちゃキレイです。

 本作は当時の歴史を忠実に描くことを目的に製作されたそうで、衣装、髪型、楽器、調度品など、どれも忠実に再現されています。古い町並みが時代を感じさせ、とっても素敵。父は娘クララを手塩にかけて育てますが、ロベルトと恋に落ちたクララは父から離れていきます。ひたむきにロベルトを愛するクララ。一方、ロベルトは女癖が悪く、ロベルト一筋のクララをやきもきさせます。天才少女として小さい頃から注目され、名声と父の愛に包まれて何不自由なく暮らしてきたクララは、ロベルトとの愛を成就させるものの、その後の苦労を暗示するような雰囲気が画面から伝わってきます。この作品で、ナスターシャ・キンスキーは「連邦映画賞主演女優賞」を受賞。なお、連邦映画賞は、現在のドイツ映画賞の前身です。音楽がお好きな方は必見。クララやロベルト・シューマンのほかに、メンデルスゾーンも登場します。

 監督はペーター・シャモニ。1962年に若手映画監督たちが発表した「オーバーハウゼン宣言」の中に名を連ねています。この宣言は、「古い映画は死んだ。我々は新しい映画を信じる」といった内容で、後に「ニュージャーマンシネマ」と呼ばれる新しい潮流を生み出したことで知られています。

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(↑ この写真だと、まるでダルビッシュ投手みたいに見えますが、映画の中のクララはもっと可憐です^^;)



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